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ホーム > 教育 > 臨床教育実習
1.臨床教育実習とは           臨床教育実習紹介映像   

発達障害や心身症(不登校)の児童生徒を対象に、医学・心理・教育の諸側面からの判断のもと、個別の指導計画を作成し、指導する実習です。個別の指導に留まらず、実習対象の児童生徒(支援児と呼んでいる)の在籍校での実習も含んでいます。
2.取組への経緯

 大学院生が学校に週1、2回のペースで学校に出向き、実習を行う「大学院教育実習」が平成18年度より始まった。発達障害や不登校への支援力養成のための実習も当初、大学院教育実習として行った。この取組を通して、この障害のある児童生徒に対する対応や指導力を養成するためには、他の形式での実習が必要と考えるようになった。
その一方で、平成17年度に文化教育学部と医学部の教員により「佐賀大学発達障害支援・研究プロジェクト」が立上げられ、それ以後心理検査や心理・教育相談において密接な連携を進めてきた。医学部附属病院での合同カンファレンスの議論の中で、「学校で発達障害や心身症のある児童生徒に対応、指導できる教員の養成が急務である」、「療育体制や学校での指導体制が整っていなければ、診断は家族を不安にさせるだけである」との意見交換が何度も行われる中、臨床教育実習の骨格が形成された。
3.臨床教育実習の目的と形態

(1)臨床教育実習の目標
 @実践に基づいたより深い理解力の形成
講義・演習で習得した、障害や精神的疾患についての理論的な知識をふまえ、様々な状態を示す児童生徒に直接接することにより、具体的でより深い理解を図る。
A特別な教育的ニーズのある児童生徒に対する対応力と指導力の向上
医学的判断、行動観察・心理検査の結果に基づき「個別の指導計画」(目標・指導法・評価法等により構成)を作成し、根拠に基づいて対応、指導できる能力を養成する。
Bチームワーク力の形成
支援の必要な児童生徒にチームとして対応、指導することを常に求め、自制・協力・創造の精神を培い、教員としての連携力を養成する。
C特別支援教育コーディネート力の形成
保護者や学校関係者や福祉・医療等の関係機関と連絡調整を図りつつ、「個別の教育支援計画」を作成し、一貫した教育的支援を行うためのコーディネート力を養成する。

(2)実習の形態
本実習は、支援児を大学に招いて指導する「臨床教育実習(大学施設実習)」と実習生が支援児在籍校に出向いて、担任教諭に協力し、また指導を受けつつサポートにあたる「臨床教育実習(学校実習)」の二段階構成である。
大学施設実習では、「個別の指導計画」の作成力とそれに基づく指導力を養成する。個々の支援児の教育的ニーズにあった個別・小グループ指導を行い、支援児の学習力や社会適応力の成長を図ることが目的である。学校実習では、実習生が大学施設実習で担当した支援児の在籍校に出向き、個別・小グループ指導により支援児が習得した学習力や社会適応力を、支援児自らが在籍校で発揮できるよう、支援する力を養うことを目的としている。つまり、支援児の教育的ニーズを軸に「来訪方式」と「派遣方式」を有機的に連結したことがこの実習の特色である。
4.チーム担当教員の指導のもとでのチーム支援

支援児1名ごとに大学院生と学部生の支援チームを編成する。大学教員が1チームを担当し、指導する。支援チームの数は4〜5。1チームを5名程度で編成する。
指導が終わる度にチームごとに臨床教育演習の時間を設け、指導を振り返り、次の計画を練る。そして、4回程度の指導終了後全チームが一堂に会して「支援チーム合同カンファレンス」を開き担当支援児への指導の結果を報告し、意見交換を行う。大学施設実習中、合同カンファレンスを3回開く。そして、大学施設実習終了後の2月、佐賀県、佐賀市などの教育委員会、支援児在籍校の参加のもと報告会を開催している。

図3 大学施設実習での指導プロセス


※ 実習指導の詳細や実習報告は、「臨床教育実習報告」をご覧ください。
【教育効果の検証にあたって】 臨床教育実習

毎年、臨床教育実習の事前・途中・事後に「実習生の自己評価チェックリスト」を用いて学生に自己評価させた。このチェックリストは、「基本的知識(15項目)」「アセスメント(9項目)」「指導・支援方法の自己学習(4項目)」「個別の指導計画の作成(3項目)」「対応力・指導力(7項目)」「教育的姿勢(3項目)」「連携力(16項目)」「自己内省力・自己成長力(7項目)」「倫理(3項目)」の9観点、合計68項目から構成されている。評価は、「1.できない」から「5.できる」までの5段階に設定している。また、なぜ学生がそのような自己評価をしたのか把握するために、「自己評価の理由等」を記入する自由記述欄も設けている。
 学生が自己評価を行うのは、実習前(10月)、大学施設実習終了時(1月)、学校実習終了時(7月)の3回である。

自己評価の結果と分析は、『子どもの発達と支援研究』(第2号)の「平成22年度臨床教育実習(大学施設実習)前後における学生の自己評価」をご参照ください。

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